小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
外食産業からみた無機質の評価
草野 幸子西田 郁子牧 憲司龔 瑞泰石井 克旺大里 泰照吉永 久秋木村 光孝
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 32 巻 1 号 p. 120-128

詳細
抄録

小児は成長発育期で,健康を維持するため食生活は重要な要因である.近年,加工食品を中心とした外食産業に依存する割合が多く,骨組織形成にも影響を及ぼすと考えられている.そこで,今回著者らは外食産業による試料からその栄養価を測定し,主として骨組織に関連する無機質について検討を行い,次のような結論を得た.
1)カルシウム,マグネシウム,鉄などの含有量が少なく,特にカルシウムは所要量の1/3-1/4しか含まれないものもあった.マグネシウムも所要量の1/4しか含まれないものもあり,これを一食として食べる時にはカルシウム,マグネシウム,鉄などは非常に不足する.一食として考えることはできず,軽食としてしか考えられない.
2)カルシウム,リンの割合をみると,ばらつきが非常に大きく,カルシウムの4-6倍のリンが含まれるものもあった.カルシウムとマグネシウムの割合についても,献立によりばらつきが非常に大きかった.
3)鉄はいずれの場合も不足しがちであった.
4)微量元素の亜鉛,銅,マンガンについては,亜鉛,銅が不足しがちであったが,マンガンはほぼ適正摂取量に近い量が摂取されていた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top