抄録
咬合圧と咬合接触面積について,中国と日本の小児を対象に研究し,両国間の比較を行った.なお,対照群として日本人成人を用いた.研究には,プレスケールを用い,それを最大咬合圧で5秒間,咬合させたものを資料とした.結果は次の通りであった.
(乳歯列)-咬合圧は,中国では,ほとんどの歯種で,男子が女子よりも大きかった.日本では,女子において,第二乳臼歯が最も小さかった.咬合接触面積は,中日の男女ともに,第二乳臼歯が最も大きく,次いで,中国では乳中切歯,日本では第一乳臼歯あるいは乳中切歯であった.個歯咬合圧は,中国では男子の方が第一乳臼歯で,日本では女子の方が乳中切歯,第二乳臼歯で大きかった.中日間では,男子のほとんどの歯種で,咬合圧,咬合接触面積,個歯咬合圧のいずれも,中国の方が大きかった.
(永久歯列)-咬合圧は,日本では,大臼歯を除いて男子の方が女子よりも大きく,歯種間では,中国において第二大臼歯が最も小さかった.また,中日間で,咬合圧はほとんどの歯種で中国の方が大きいが,咬合接触面積と個歯咬合圧に差はなかった.しかし,中国の方が約1歳ほど若年であることから,中国の小児が日本の小児と同一年齢に達した時は,中国の小児の方がより大きい値を示すようになることが想定された.また,咬合接触面積や個歯咬合圧は対象群では第一大臼歯が最も大きいが,日本人成人男子では第二大臼歯の方が最も大きかった.