抄録
Crouzon症候群は,頭蓋縫合早期癒合,中顔面形成不全および浅い眼窩による眼球突出の三徴候を呈し,そのほかの神経症状を示す疾患である. 今回,私たちは大阪歯科大学付属病院小児歯科外来に来院した水頭症を伴う4歳4か月女児のCrouzon症候群に遭遇し,その臨床的所見およびエックス線的所見から次のような知見を認めた.
1)水頭症であった.
2)高度の眼球突出と外斜視が認められた.
3)中顔面が発育不全で,鷲鼻を呈し,上唇は薄かった.
4)口腔内所見において,前歯部の開咬,臼歯部の下顎近心偏位,歯列弓の狭窄,高口蓋および弄舌癖を認めた.
5)P-Aおよび側方向エックス線写真において,頭蓋骨は塔状を示し,指状圧痕を認めた. また,上顎の劣成長と下顎の前下方への発育を認め,下顎骨体の変形もみられた.
6)パノラマエックス線写真において,歯牙石灰化年齢を約4歳7か月と診断した.
7)臨床検査の結果,平均値よりもALPが高い値を,Caが低い値を示し,骨疾患を思わせる様相を呈していた.