抄録
小児が口腔内診査に対して適応できるようになる年齢を明らかにするために,1歳から5歳までの154名を対象に口腔内診査を行い,その時の外部行動と発達との関連を赤池情報量規準(Akaike's Information Criterion,以下AICと略す)を用いて解析した.
1.口腔内診査への適応・不適応と,発達年齢,暦年齢,日常生活動作(Activities of Daily living,以下ADLと略す)の自立度との間には強い関連性が認められた.
2.口腔内診査への適応性について最適な区分年齢は,暦年齢で2歳6か月,遠城寺式乳幼児分析的発達検査による発達年齢では2歳4.5か月から2歳10.5か月に分布していた.
3.暦年齢2歳6か月以上の小児は,口腔内診査に対してレディネスが備わっていることが明らかになった.