小児歯科学雑誌
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モルモットにおける離乳時期が咀嚼機能獲得に及ぼす影響
盧 兆民平良 梨津子玉井 良尚飯沼 光生
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1997 年 35 巻 4 号 p. 715-721

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抄録
モルモットの離乳時期を生後3,7,14,30日とし,その後固形食または粉末食で飼育し,咀嚼機能獲得にどのような影響が生じるかについて検討した。生後3日より,3日ごとに体重,口腔内へ人工乳首を挿入しての乳首内圧の測定,および顎運動の肉眼的観察を行い,咀嚼リズム形成時期を調べた。
その結果,規則正しい咀嚼リズムの形成された時期が3日後離乳群では固形食群で生後60.9±1.5日,粉末食群で生後70.6±1.5日,7日後離乳群では固形食群で生後50.5±1.8日,粉末食群で生後60.3±1.9日で,14日後離乳群では固形食群で生後42.6±2.7日,粉末食群で生後50.4±1.9日,30日後離乳群では固形食群で生後39.5±2.1日,粉末食群で生後42.3±2.4日で,離乳時期が遅いほど咀嚼リズム形成時期は早かった。またどのグループも親から分離すると,一時的に分離前よりリズムが乱れ,親と共に育てるということが咀嚼形成へのひとつのプラス要因となることが示唆された。
以上のことよりモルモットにおいて離乳時期が不適切であると咀嚼リズム形成時期は遅れるものの最終的にはリズミカルな咀嚼が形成されることが示唆された。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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