抄録
SUPER LIZER®は近赤外線を用いた理学療法のひとつであり,顎関節症の保存療法としてその有効性が報告されている。本研究の目的は,SUPER LIZERを顎関節症の治療方法として確立する上で,その適応症を選択することである。
研究対象は顎関節症の治療法としてSUPER LIZER療法を行った患者14名であった。これらの患者を,SUPER LIZERが有効であった7名(有効群)と,効果を奏さなかった7名(難治群)とに分け,治療前の顎関節部MR所見および臨床所見を比較検討し,以下のような結果を得た。
1.関節円板の前方転位は,両群間で有意差を認めなかった。しかしjoint effusionは,難治群で有意に多かった。
2.有効群は難治群と比較して,初診時の最大開口量は有意に大きく,疼痛発現からの期間も短い傾向が認められた。