小児歯科学雑誌
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Ellis-van Creveld症候群の1例
土井 立子船越 禧征西村 亜子平尾 彰規河口 理大東 道治
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1999 年 37 巻 1 号 p. 170-176

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抄録
Ellis-van Creveld症候群は軟骨形成不全,多指症,外胚葉形成不全および先天性心疾患を四主徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。今回,審美障害を主訴として来院した6歳5か月,男児のEllis-vanCreveld症候群の1例を経験した。全身的な異常所見として骨格系の異常,外胚葉形成不全,多指症ならびに先天性心疾患などがみられた。また口腔内の異常所見として先天性欠如歯,歯の形態異常,咬合の異常,口腔前庭の異常ならびに小帯の異常などがみられた。模型分析では個々の歯の歯冠近遠心幅径ならびに歯列弓の大きさは標準値よりも小さい値を示した。頭部エックス線規格写真の分析では下顎角の開大が認められた。歯科処置として咀嚼障害ならびに審美障害回復のため上下顎に乳歯義歯を装着した。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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