小児歯科学雑誌
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水酸化カルシウムがヒト二倍体線維芽細胞におよぼす影響について
岡本 亜祐子河上 智美大出 祥幸金子 万由里角田 貴子荻原 和彦
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1999 年 37 巻 1 号 p. 62-68

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抄録
水酸化カルシウムの根尖周囲組織におよぼす影響を調べるため,ヒト二倍体線維芽細胞(WHE-7細胞)およびヒト歯肉由来線維芽細胞(GFB細胞)に水酸化カルシウムおよびホルモクレゾールを作用させ比較検討をした。その結果,ホルモクレゾールでは濃度の上昇にしたがい細胞が増殖抑制され,細胞形態は変性,萎縮が認められた。一方,水酸化カルシウムでは細胞増殖の抑制もなく,細胞の形態変化はなかった。水酸化カルシウムを作用させた場合のカルシウムイオンは,水酸化カルシウムの濃度に依存することなく一定であった。
以上の結果,水酸化カルシウムはホルモクレゾールにくらべ細胞毒性がなく組織為害性が少ない根管貼薬剤といえる。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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