抄録
小児歯科医院において定期健診中の3-4歳児のうち,すべての乳臼歯隣接面が健全であるもの62人を対象に,初回診査時の口腔内全体のカリオスタット®検査,乳臼歯部歯垢指数および乳臼歯隣接面カリオスタット検査と再診査時(4-6か月後)の乳臼歯隣接面齲蝕との関係を調査し,以下の結論を得た。
1)初回診査時のカリオスタット値(口腔内全体)および乳臼歯部歯垢指数と再診査時の乳臼歯隣接面齲蝕の発症との間に,関係は認められなかった。
2)初回診査時の乳臼歯隣接面カリオスタット値と再診査時の乳臼歯隣接面齲蝕発症との間に関係が認められ,隣接面カリオスタット値2.0以上の群において,乳臼歯隣接面齲蝕を発症した者の割合が多かった。以上より,隣接面カリオスタット検査は,乳臼歯隣接面齲蝕の予測性を有していることが示唆された。