小児歯科学雑誌
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うつぶせ寝で育てられた小児の顎顔面形態に関する研究
海原 康孝天野 秀昭三浦 一生長坂 信夫石田 房枝
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1999 年 37 巻 4 号 p. 695-699

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抄録

うつぶせ寝育児が顎顔面歯列の形態や咬合に与える影響について,歯科的検討が行われている。
本研究では側貌頭部エックス線規格写真分析により,乳児期にうつぶせ寝で育てられた小児の乳歯列期における顎顔面形態について検討し,日本小児歯科学会の標準値と比較した結果,以下のような傾向が認められた。
1)男子はS-Nが大きい傾向が認められ,女子はS-N,N-Me,A'-Ptmが大きい値を示した。
2)Facial angleが小さく,Y-axisが大きい傾向が認められた。
3)プロフィログラムからは,特に男子において下顎の後退傾向が認められた。
以上より,うつぶせ寝で育てられた小児の顎顔面形態は,前脳頭蓋底および顔面高さが長く,下顎が後退する傾向が認められた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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