抄録
著者らの行っている視知覚研究は実際の臨床場面で三次元で眼球運動を分析することが理想である.しかし現在のところその方法は確立していない.これまで三次元空間を1mごとの空間に区切り眼球運動の分析を行う方法や,二次元映像の中で奥行き方向の動きに対する眼球運動の三次元的分析を試みた.
竹井機器工業社製の両眼眼球運動測定装置を用い,臨床場面での停留点の三次元的分析が理論上可能となったが,装置の精度に関しては問題がある.そこでまず眼球運動の三次元研究の導入部として,装置の精度を検証することを目的に実験を行い,分析検討した結果以下の結論を得た.
従来眼球運動の二次元的分析において停留点は停留部位を注視していると解釈してきたが,停留点を三次元で分析した結果,距離に関して算出した値がサッカーボールまでの距離を示さず,停留点の解釈には単に視線の方向を表している場合のあることがわかった.