抄録
11歯科医院の協力の基に,1~5歳までに齲蝕を主訴として来院し,12歳まで継続的に来院した小児で処置終了後も定期健診を継続的に受診した小児88名(乳臼歯総修復歯数622歯),受診しなかった小児151名(1128歯)に群分けし,定期健診の状況と乳歯修復物の予後,さらに永久歯の齲蝕予防効果について調査した.
1.定期健診群における,初回処置後の乳臼歯修復物の機能歯率は,1年後で84.6%,2年後で67.5%,3年後で50.6%で,50%機能期間は約3年であった.対照群では1年後で74.1%,2年後で48.2%と50%機能期間は約2年であり,定期健診群では,50%機能期間は約1年延長した(χ2検定p<0.001).
2.乳臼歯1歯あたりの平均修復回数は,定期健診群1.81回に対し対照群2.41回であり,定期健診群は約0.6回修復回数が少なかった(ANOVA p<0.001).
3.初回修復物の機能期間は,定期健診群では3.30年,対照群は2.48年であり,定期健診群は約0.8年機能期間が長かった(ANOVA p<0.001).
4.定期健診群の12歳時のDMF歯数は,2.39歯,対照群では4.52歯であり,定期健診群の方がDMF歯数は約2.1歯少なかった(ANOVA p<0.001).以上より,定期健診により永久歯の齲蝕齲蝕のみならず,乳歯修復物の予後も向上した.