抄録
健常小児の混合唾液中に含まれるHerpes simplex Virus type 1(HSV-1)の高感度検出法として,nestedPCR-Southern blot法を確立した.一段階PCR法によれば1~10pg/μlであった検出感度がnested PCR-Southernblot法では,10-8pg/μlにまで上昇することができた.
臨床応用として,疱疹性歯肉口内炎発症児6名,健常児7名から採取した混合唾液を試料として,nestedPCR-Southern blot法を応用したところ,疱疹性歯肉口内炎発症児6名では一段階PCR法,nested PCR法,nested PCR-Southern blot法のすべてにおいて陽性であった.一方,健常児7名では,一段階PCR法で1名,nested PCR法では5名,nested PCR-Southern blot法では6名が陽性であった.この結果から,混合唾液を用いたnested PCR-Southern blot法はHSV-1の潜伏感染の診断に有用であり,健常児混合唾液中のHSV-1陽性率は,現在までに報告されているものよりも上昇する可能性が示唆された.