小児歯科学雑誌
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下顎第三大臼歯歯胚摘出後の下顎第一,第二大臼歯の動態について
間山 寿代清野 幸男大和 志郎工藤 直樹管野 さゆり三浦 廣行
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2001 年 39 巻 4 号 p. 846-853

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抄録
1996年1月から1997年12月の間に岩手医科大学歯学部附属病院矯正歯科で下顎第三大臼歯の歯胚摘出を行った179名のなかから,動的治療を行わず,歯胚摘出前後の45° 斜位頭部エックス線規格写真が得られた20名(男児10名,女児10名)を対象に,歯胚摘出後の第一大臼歯,第二大臼歯の変化に関する検討を行い,歯胚摘出を行わなかった対照群と比較した結果,次の結論を得た.
1.対象とした資料の歯胚摘出時の平均年齢は10歳9か月であり,10歳代が32.5%と最も多く,次いで9歳代が22.5%を占めていた.
2.歯胚摘出後の下顎下縁平面に対する歯軸変化は,第一大臼歯で2.4°,第二大臼歯で2.8°直立していた.
3.歯胚摘出後の咬合平面に対する歯軸変化は,第一大臼歯,第二大臼歯ともに0.5°直立していた.4.距離計測では,第一大臼歯,第二大臼歯の位置は,対照群において摘出後群よりも第一大臼歯で2.5mm,第二大臼歯で2.9mm近心に位置していた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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