小児歯科学雑誌
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咬合支持域や下顎頭長軸角の変化が顎関節部負荷に及ぼす影響に関する力学的研究
重田 浩樹
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2001 年 39 巻 5 号 p. 1048-1058

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抄録
目的:機能的状況や解剖学的形態の変化が,顎関節部負荷に及ぼす影響を調べるために,標準的な顎顔面形態や顎関節形態の特徴を再現した3次元有限要素モデルを構築した.今回の目的は,咬合支持域や下顎頭長軸角の変化が,顎関節部負荷にどのような影響を及ぼすのかを検討することである.方法:標準的な乾燥頭蓋骨を基準として,顎関節部を含む下顎骨の3次元有限要素モデルの構築を行った.このモデルは,下顎枝を簡略化し,下顎頭と下顎体は剛体要素で結合させた.また,生体の上下関節腔を有限要素法で再現するために,下顎頭と関節円板,関節円板と側頭骨下顎窩の境界に接触要素を付与した.咬合支持域や下顎頭長軸角の変化による噛みしめ時の下顎頭の変位量や変位方向,関節円板の応力分布を求め,顎関節部にかかる負荷について検討した.結果:
1.噛みしめを行った場合の関節円板の応力分布は下顎頭に沿って生じており,かつ外前方部の応力が大きくなっていた.
2.咬合支持域が後方歯欠損を示す両側咬合の場合や片側咬合の場合に顎関節部にかかる負荷が増大していた.
3.下顎頭長軸角が大きくなるに従い,関節円板の応力は中央部から外前方部にかけて大きくなる傾向を示した.結論:咬合支持域や下顎頭長軸角の変化は,顎関節部負荷にきわめて大きな影響を及ぼすことが示された.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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