小児歯科学雑誌
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ミュータンス連鎖球菌数と小児の生活習慣の関係について
岡崎 好秀宮城 淳堀 雅彦東 知宏中村 由貴子小坂田 弘子紀 螢Bazar OyuntsetsegRodis Omar松村 誠士下野 勉
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2002 年 40 巻 4 号 p. 693-700

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抄録

齲蝕のない3~5歳の小児114名を対象として,Dentocult-SM®strip Mutansテスト(Orion Diagnostica社製)を用い,ミュータンス連鎖球菌数について調べた。また小児の生活習慣に関する15問のアンケートを実施した。そしてミュータンス連鎖球菌数とアンケート項目との関係について数量化理論II類を用い解析した。
さらに上位にランクされた項目についてはχ2検定を用い検討を加えた。
1.Dentocult-SM(R) Strip mutansテストの判定結果の分布は,クラス0は69.3%(79/114名),クラス1は21.9%(25/114名),クラス2は8.8%(10/114名)であり,クラス3は1人もいなかった。
2.以下の項目はミュータンス連鎖球菌数と有意に関係していた。
1)間食の不規則摂取(χ2検定p<0.01)
2)間食回数3回以上(χ2検定p<0.01)
3)甘味飲料を多く飲む(χ2検定P<0.05)
4)保護者の齲蝕が多い(χ2検定p<0.05)
5)間食後の歯磨きをしない(χ2検定P<0.05)以上より,これらの項目に対する保健指導を行えば,ミュータンス菌の定着のリスクが減少し,ひいては小児の齲蝕予防につながることが期待できる。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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