小児歯科学雑誌
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上顎前突を有する小児における顎顔面頭蓋の成長発育について
石井 信行嘉藤 幹夫大東 道治
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2002 年 40 巻 4 号 p. 701-708

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抄録

未治療上顎前突児12名の縦断的な側面頭部エックス線規格写真(セファロ)を用い,上顎前突児における顎顔面頭蓋の成長発育について検討した。各患児につき2枚の連続したセファロを研究資料として用いた。セファロ撮影時の平均年齢は,それぞれ7歳10か月(D1),および11歳0か月(D2)であった。側面頭部エックス線規格写真は,距離計測13項目,角度計測10項目をもって分析し,同時期に撮影した正常咬合児のものと比較した。未治療上顎前突児における顎顔面頭蓋の成長発育の特徴は以下の通りである。
1.Dlにおいて,前方に偏位した上顎骨が観察された。
2.D2において,劣成長かつ後退した下顎骨が観察された。
3.上顎骨,下顎骨とも,D1-D2間の前方成長量が正常咬合児群と比較して少なかった。
これらの結果は,患児の発育段階によって上顎前突の構成要因が異なっていることを示唆した。上顎前突児における顎顔面頭蓋の成長様式は,上顎骨の前方への偏位により惹起され,その上下顎の咬合関係が,その後の下顎の劣成長につながっていると推察された。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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