小児歯科学雑誌
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幼若永久歯の初期齲蝕診断の検討-視診・触診と光学的ならびに細菌学的評価-
山崎 優
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2004 年 42 巻 3 号 p. 375-382

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抄録

日本大学松戸歯学部小児歯科外来に来院し,被検歯以外に齲蝕がないと診断した小児37名の幼若第一,第二大臼歯咬合面を,視診・触診にて健全,CO,Cと診断し,さらに総レンサ球菌数に対するmutans streptococci数の比率,Dentocult SM®,Dentobuff Strip®,5分間咀噛唾液量,DIAGNO dent値を求め検討したところ,以下の結論を得た。
1.幼若永久歯の咬合面小窩裂溝齲蝕の診査で健全歯,CO,Cの診断は,明視下での視診と軽い擦過による触診でほぼ満足できた。
2.齲蝕の細菌学的診断には,被検歯歯垢の総レンサ球菌数に対するmutans streptococci数の比率を測定することが適当と思われた。
3.被検歯歯垢の総レンサ球菌数に対するmutans streptococci数の比率とDIAGNO dent値との問には,正の優位な相関関係が認められた。
4.1歯の齲蝕においてもDentobuff Strip®の測定結果に反映されていると思われた。
5.翻蝕診断と事後措置を含めたその対応には,視診・触診だけではなく歯質破壊を評価できる光学的診断器であるDIAGNO dentTMと齲蝕活動性を評価できる細菌学的診断の併用が有効であることがわかった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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