小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
ポリシロキサンコーティングしたフッ化物によるコンポジットレジンのフッ素徐放性制御
林 秀久保山 博子川口 稔宮崎 光治本川 渉
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 42 巻 5 号 p. 675-679

詳細
抄録
コンポジットレジンのフッ素イオン徐放性を制御する目的で,水溶性フッ化物であるFBNaの表面をシランカップリング剤であるMPTS(2%,5%)で処理してポリシロキサンコーティングを行った。このコーティングフッ化物を配合したコンポジットレジンのフッ素イオンの溶出量と機械的性質について検討した。フッ化物の表面をコーティングすることによって28日間のフッ素イオン積算溶出量は,非コーティングフッ化物を配合した場合の1/2以下に減少させることができた。また溶出速度についても同様の効果が得られ,経時的な溶出速度の変動の小さい持続的な溶出特性を示した。
機械的性質については,曲げ強さおよび曲げ弾性係数ともに非コーティングの場合と大差ない値を示した。本研究の結果から,フッ化物表面をポリシロキサンでコーティングすることによって,コンポジットレジンのフッ素イオン溶出速度を制御することが可能であることが示唆された。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top