抄録
小児の咀嚼機能の正常な発達の判定のためには,咀嚼能力の客観的な評価が必要である。そこで近年成人の咀嚼能率の測定用に開発された色変わりガム(XYLITOL®咀嚼力判定ガム,ロッテ社)を小児に適用する場合の,素材の量および咀嚼検査時間に関して検討を行った。
4~10歳の小児40名(男17名,女23名:平均6.8±1.8歳)および成人10名(女10名:平均27.8±2,0歳)に色変わりガム1枚量(3.1±0.01g),および1/2枚量(1.6±0.06g)を30秒,1分,1分30秒,2分間自由咀嚼させた。咀嚼終了後,色彩色差計を用いてa*値を計測し,また色調をパッケージに表示されている「カラースケール」と比較し,スケール値を記録した。小児,成人とも1/2枚量,1枚量で咀嚼時間に伴いa*値の増加が認められた。
小児において,1枚量では全ての咀嚼時間で咀嚼能率との相関が最も高かったと報告されているa*値20には達しなかったが,1/2枚量では咀嚼時間2分間で平均のa*値は21.0±3.67であった。小児の被験者において判定に適さない混和不十分のガムは1枚量では1.5分まで,112枚量では1分までのものに認められた。
以上の事から色変わりガムの小児への応用に際しては,成人への応用条件とは異なる条件下で測定する必要があると考えられた。