小児歯科学雑誌
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Beckwith-Wiedemann症候群における舌縮小術がおよぼす嗜好変化
松根 健介三好 克実井上 雄温松原 清原 昌伸韓 娟梶山 紫宮本 桃江大橋 博文前田 隆秀
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2007 年 45 巻 3 号 p. 399-404

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抄録

Beckwith-Wiedemann症候群は,巨舌を伴う症候群であり,必要に応じ舌縮小術が施術されている.施術後に味覚の減退が起こる可能性が報告されているが,実際の嗜好の変化は報告されていない.そこで,食生活アンケートを行い18人の回答を得た.重回帰分析の説明変数を,性別,年齢手術既往歴,および術後年数の4つとし,ステップワイズ法を用いて有意差の認められた項目を抽出し,検討を行った.その結果,舌縮小術を行った患児は,「果物が好き」,「麺類が好き」,「母に好き嫌いがある」,「食事量」,「ケチャップの味付けが好き」,「濃い味が好き」,「肉は焼き物が好き」,「偏食がある」,「麺類を自由に食べたい」の9項目に影響を受ける傾向を認めた.特に濃い味付けを好む傾向を認めた.しかしながら,舌縮小術を行うと咀嚼嚥下の回復により麺類が嗜好品になる傾向や好きな味付けの種類が増える傾向も認められた.

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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