抄録
プラーク酸産生能の部位特異性を明らかにすることを目的として,上顎前歯部唇側面(UAB)および下顎前歯部舌側面(LAL)から採取したプラークに10%スクロース溶液を添加し,経時的にpHを記録した。この結果から,酸産生能を算出し,部位の差の有無について比較検討した。
1.初期pHでは有意な部位の差を認め,LALがUABよりも高かった(p<0.01)。
2.酸産生能は,UABがLALよりも有意に高かった(P<0.01)。以上より,UABのプラークはLALと比較して酸産生能,すなわち齲蝕誘発能が高かった。