小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
新しい齲蝕予防管理ソフトの臨床応用 第2報脱灰時間の割合と1年後の齲蝕発症との関係
奥 猛志, 井形 紀子, 堀川 清一, 重田 浩樹, 山崎 要一
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 46 巻 3 号 p. 373-377

詳細
抄録
著者らの開発した,脱灰・再石灰化時間の割合を算出する齲蝕予防管理ソフトを用い,初回齲蝕活動性試験時の脱灰時間の割合と1年間の新たな齲蝕発症との関係を評価することで,齲蝕発症予測のための基準値を設定できるかについて検討した。
対象患者は158名(男児74名,女児84名)平均年齢6歳3か月(3歳~14歳)である。安静時唾液pH(ORAL pH TEST),カリオスタット®値,唾液緩衝能(シーエーティー21バフ),飲食の回数,年齢,フッ化物の使用状況の6つのリスク因子から脱灰時間の割合を算出する齲蝕予防管理ソフトを用い,得られた脱灰時間の割合と1年間に発症した齲歯数との関係について分析した。統計解析にはSpearmanの順位相関ならびにStudentのt検定を用い,以下の結果を得た。
1年間で新たに発症した齲歯数と初回検査時の脱灰時間の割合との間に正の相関が認められた。また,1年間に新たな齲蝕が発症しなかった患者の脱灰時間の割合は19.3%であり,新たな齲蝕が発症した患者の23.6%と比較して有意に小さかった。これらの結果から,脱灰時間の割合が19%以下になるように口腔環境を改善することで,1年後の新たな齲蝕発症が抑えられる可能性が示され,脱灰時間の割合19%が齲蝕抑制の基準値となると考えられた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top