抄録
5歳4か月から7歳10か月までの16名の対照群と5歳3か月から9歳7か月までの14名の著しく高位に付着する上唇小帯を切除した切除群の上唇小帯の付着位置,口唇閉鎖力,上下の口唇圧および上下口唇圧比を指標とした口唇閉鎖と上唇小帯切除との関連を調べた。これらは対照群の前より有意に小さい値を示していた切除前の上唇小帯の付着位置と口唇閉鎖力と下唇圧および対照群の前と有意差がなかった上唇圧は,それぞれ切除後に有意に大きい値を示していた。さらに,経過観察後も対照群の後と同様に有意に大きい値を示していた。また,切除後と経過観察後の下唇圧は,対照群の前後と同様に上唇圧より有意に大きい値を示していたが,切除前では上唇圧と有意差がなかった。切除前に有意に大きい値を示していた上下口唇圧比は,切除後と経過観察後も対照群の前後と同様に有意差がなかった。以上の結果より,小児の著しく高位に付着する上唇小帯を切除することで口唇閉鎖の機能は向上したことが示唆された。