主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 110_1
本研究では、心理的プレッシャーが立位姿勢制御課題中の下肢筋における筋活動や足圧中心(COP)に及ぼす影響を調べた。18名の健常な男性が実験に参加し、バランスディスク上において利き足で片足立ちをし、バランスを維持する課題に取り組んだ。実験参加者には、各試行においてディスク上で30秒間姿勢を安定させることを求めた。習得試行の後に、カウンターバランスを考慮した2試行の非プレッシャー試行と2試行のプレッシャー試行を実施し、プレッシャーには課題パフォーマンスに基づいた賞金と罰を用いた。プレッシャー下では状態不安、主観的な緊張度、心的努力、及び心拍数の全てが有意に増加したことから、ストレスの喚起には成功したといえる。プレッシャー下での利き足の筋活動に関しては、ヒラメ筋の筋放電量の有意な増加とともに、ヒラメ筋と前脛骨筋間の共収縮率も有意に増加した。プレッシャー下でのCOPに関しては、外周面積が非プレッシャー下に比べて有意に減少した。プレッシャー下における姿勢制御のこれらの機能変化には、注意の内的焦点化、不安などの感情状態、さらには下肢の筋や関節のスティッフネスを高めるための運動方略が関与していると考えられる。