日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第67回(2016)
会議情報

一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−12 リーダーの参加が児童の共同行為に与える効果
*池田 理紗木島 章文佐藤 海里
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 113_3

詳細
抄録

 他者からの要請に応じて行動する性質を向社会性という。担任教諭に対する調査をもとにリーダー性が強い児童とフォロワー性が強い児童を集め、彼らが連続的共同行為を行うにあたって発揮する向社会性を観察した。第2・3・6学年の学級それぞれからリーダー:フォロワーの人数配分が4条件(0:3、1:2、2:1、3:0)で異なる3人組を複数組作成した。直径約700mmのビニール製円盤の円周上に3点の把持点を等間隔で設置し、各点を各者に把持させて円盤ごとボールを10秒周期で上下動させた。上下動にあたってはボールを中心に留めるように教示し、試技中にボールが落下しないように円盤の縁(へり)にせり上がりを持たせた。試技中のボール挙動を分析した結果、第2学年では縁上の1点に居つく傾向が強かったが、リーダーの人数が増えると、縁上あるいは円盤を横切るようにボールが動き出した。しかし第3学年では逆に、円盤上で動くボールを縁へと留めるようにリーダーが働く傾向が強かった。第6学年ではリーダーの人数に関わらずボールが中心に留まる傾向が強かった。こういった学年間の差から児童の向社会性の発達過程を議論する。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top