日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−13 ジョイント・アクション中の妨害は相補的力発揮を促進する
*升本 絢也乾 信之
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p. 114_1

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抄録

 我々の先行研究は2人の参加者が同時に力発揮し、その総和を2つの目標値に対して周期的に一致させる課題を行い、2人の力が負の相関になり、相補的な力発揮が行われることを見出した(J. Neurophysiol., 2013; 2015)。本研究は2人がジョイント・アクションを行う時に第三者から妨害を受けると、その誤差を補正するために2人の協力者は相補関係を作るかどうか検討した。実験は大学生男子が三人一組の10組で行った。グループ内で協力関係にある2人の参加者は示指で同時に力発揮し、その総和を目標値に一致させる課題を行った。残りの一人は母指または示指で力発揮し、協力関係にある2人の力を加算または減算して妨害した。その結果、妨害の有無に関わらず、協力関係にある2人の力発揮は負の相関関係を示し、2人は相補的に力発揮を行っていた。さらに、妨害がない時は有る時より力の絶対誤差と標準偏差が大きかったが、妨害が有るときは無いときよりも2人の力の負の相関関係が強かった。したがって、妨害はジョイント・アクションのパフォーマンスを低下させたが、相補的力発揮を促進した。

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