日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−14 漸増歩行速度条件で保持される競歩の上腕と大腿の協応パターンの安定性
*平川 武仁
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p. 114_2

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抄録

 漸増速度に伴う上腕と大腿との相対的な安定性の動的変化を検討した。参加者は7名であり、測定課題は100m毎分で開始され、30秒ごとに10m毎分ずつ増速するトレッドミル上での競歩であった。右矢状面からビデオカメラで撮影し、右肩峰、右肘、右大転子、右膝を実座標換算・平滑化後、上腕と大腿の水平偏角を算出・標準化した。上腕に対する大腿の角度変位の遅延時間・埋め込み次元を算出し、3周期を抽出、300点に基準化した。相互再帰定量化解析によって最大線長を計算し、一要因分散分析をした。その結果、速度の主効果は有意(p<.05)であった。多重比較の結果、低速(200 m毎分未満)と高速(200m毎分以上)の最大線長が異なっていた。これは増速とともに上腕と大腿のアトラクタの隣接時間が急激に長期化することを示している。また、速度と最大線長に逆比例(最大線長=-4626/(歩行速度-276)+40)の関係が認められた。これは最大歩行速度(276m毎分)に向かって安定性が高まること、低速であっても上腕と大腿の関係が1歩行周期のうち13%程度(=40/300)の時間で相対的に安定していることを示している。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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