日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−15 高度なチームワークを支える3つの「見えない力」
*横山 慶子山本 裕二
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p. 114_3

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抄録

 絶妙なタイミングによる華麗なパスワークのように、サッカーやホッケーなどの集団スポーツでは、コート上のプレイヤーの動きから、ヒトの高度で洗練されたチームワークを観察することができる。本研究の目的は、こうしたチームワークを実現するために、個々のプレイヤーが、どのように振る舞うべきかを明らかにすることである。そのために、3対1ボール保持課題を題材として、ヒト集団の動きを定式化した自己駆動粒子モデルを参考に、個々のプレイヤーを駆動する「見えない力」を運動方程式で記述した数理モデルを立て、課題における4名のプレイヤーとボールの動きをシミュレーションした。その結果、「空間の中心への誘引力」、「敵からの反発力」、「仲間との協調力」という3種類の「見えない力」をモデルに含めた場合に、熟練したサッカープレイヤーが示す同期的なチームワークを再現することができた。このことは、個々のプレイヤーが、空間や敵、仲間という3つの事象との距離間隔の変化に気づき、さらにその距離間隔に応じて変化する3つの「見えない力」を同時に察知して動くことが、高度なチームワークの実現に不可欠であることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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