日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−17 競技中における「気持ちが切れた」および「気持ちが切れなかった」現象に関する質的研究
*来間 千晶関矢 寛史小川 茜
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p. 115_2

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抄録

 本研究の目的は、気持ちが切れた/切れなかった現象の構成概念および発現機序、気持ちが切れることの抑制要因を明らかにすることであった。質的研究手法を用いて18名の現役競技者の逐語記録を分析した結果、気持ちが切れた現象は、戦況など「気持ちが切れた原因」、プレーへの集中力の低下など「気持ちが切れている状態」、ポジティブ・ネガティブな感情など「気持ちが切れた試合後の反応」によって構成されていることが明らかになった。また、気持ちが切れなかった現象は、戦況の良し悪しなど「気持ちが切れそうになった原因」、戦意喪失など「気持ちが切れそうな状態」、他者のポジティブな言動など「気持ちが切れそうな状態から脱却するきっかけ」、ポジティブな感情の生起など「気持ちが切れそうな状態から脱却した後の状態」、試合結果に対する評価や感情など「気持ちが切れなかった試合後の反応」によって構成されていることが明らかになった。さらに、気持ちが切れることを抑制する要因として、試合前の高いモチベーション、他者のポジティブな言動、戦意の高まり、思考の転換、戦況の好転、体力の残存、気持ちが切れそうな状態における戦意の維持が挙げられた。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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