主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 115_2
本研究の目的は、気持ちが切れた/切れなかった現象の構成概念および発現機序、気持ちが切れることの抑制要因を明らかにすることであった。質的研究手法を用いて18名の現役競技者の逐語記録を分析した結果、気持ちが切れた現象は、戦況など「気持ちが切れた原因」、プレーへの集中力の低下など「気持ちが切れている状態」、ポジティブ・ネガティブな感情など「気持ちが切れた試合後の反応」によって構成されていることが明らかになった。また、気持ちが切れなかった現象は、戦況の良し悪しなど「気持ちが切れそうになった原因」、戦意喪失など「気持ちが切れそうな状態」、他者のポジティブな言動など「気持ちが切れそうな状態から脱却するきっかけ」、ポジティブな感情の生起など「気持ちが切れそうな状態から脱却した後の状態」、試合結果に対する評価や感情など「気持ちが切れなかった試合後の反応」によって構成されていることが明らかになった。さらに、気持ちが切れることを抑制する要因として、試合前の高いモチベーション、他者のポジティブな言動、戦意の高まり、思考の転換、戦況の好転、体力の残存、気持ちが切れそうな状態における戦意の維持が挙げられた。