日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−26−口−23 アスリートにおける自律訓練法の継続的練習が慢性的ストレスに及ぼす影響
起床時コルチゾール反応(CAR)を指標として
*菅生 貴之門岡 晋熊谷 史佳寺澤 佑太
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p. 117_2

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抄録

 アスリートは慢性的にストレス事態にさらされやすく、心身両面の指標によってストレス状態を正確に把握することはバーンアウトの予防や競技力向上のために重要である。自律訓練法(Autogenic Training;AT)はストレス反応を抑制することが示唆されており、我が国のアスリートに対するスポーツメンタルトレーニングにおいてはリラクセーション技法としてよく用いられているが、実験手法による効果の検証は十分ではない。慢性的ストレスの指標として、起床後30分のコルチゾールの急激な上昇反応である起床時コルチゾール反応(Cortisol Awakening Response:CAR)がよく知られている。本研究ではCARを用い、ATの継続練習の実施に伴う慢性ストレスへの影響を検討することを目的とした。実験参加者は学生アスリート(18-22歳)であり、ATの自宅練習を実施した2週間のうちの3点(期間前・中・終了後)において起床直後および30分後の唾液採取を実施した。ELISA法により唾液中コルチゾール濃度の推定を行った。その結果、ATの継続練習開始前のCARは、練習中と比較して高値であることが示され、継続的なATの練習は、アスリートの慢性的ストレスを減少させることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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