主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 118_1
球技スポーツにおけるプレーヤーの眼球運動を調べた研究において、静止状態でビデオ映像を用いて注視ストラテジおよび眼球運動特性を検討した研究や、実際のプレー中の注視方向を検討した研究などがみられるが、プレーを行う際における両眼の眼球運動特性に関しては詳細な検討がなされていない。そこで本研究では、実際にボールを扱う運動課題を行う際の両眼眼球運動の特性を検討することを目的とした。クラブチームに所属するバレーボールプレーヤー8名を実験参加者とし、ボールを用いた対人パス課題を行った。静止状態およびパス課題中のプレーヤーの両眼眼球運動をアイマークレコーダにより測定し、水平、垂直、奥行き方向の両眼注視移動および瞬目行動を分析した。その結果、プレー中は平常時に比べ瞬目頻度が低下したことに加え、パスしたボールの追従を行う際に、静止状態での奥行き方向の注視移動時に比べて、両眼がより対称的にボールを追従していることが観察された。実際のボールを用いた運動を伴う課題における注視移動において、静止状態で注視移動のみを行う場合に比べて、奥行き方向への注視移動がよりスムーズに行われることが示唆された。