主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 118_2
移動する対象物の捕捉の際には、Bearing Angle(以後BA)から得られる情報を利用しているという研究が報告されている。このBAは眼球運動や頭部の変位に基づいて導出されると推察される。そこで本研究は頭部の変位が捕捉行為の遂行にどのような役割を果たすのかを検討することを目的とした。実験装置は幅4mのスクリーンとターゲット投射用のプロジェクターで構成された。ターゲットの移動がプロジェクターを介してスクリーンに投射された。ターゲットは被験者から見て右から左に移動する仕組みであった。被験者はスクリーン正面に立ち、ターゲットの移動後自身も移動を開始し、到達地点にてターゲットの到達と自身の移動完了を一致させることを求められた。ハイスピードカメラにより被験者の試技を撮影した。3次元動作解析にて得られた座標データを元にBA及び頭部の向く方位を算出した。主な結果は,被験者はターゲットが高速で移動する時、比較的大きく頭部を回転させていた。一方、低速条件の時は到達地点とターゲットのおおよそ中間の位置に頭部の方位を維持していた。以上から、頭部の角度変位を踏まえた視覚的情報入力の方略は速度条件によって異なることが示唆された。