日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第67回(2016)
会議情報

一般研究発表(03) 体育心理学
03心−24−ポ−03 頭部の変位が捕捉行為の遂行に果たす役割
*杉山 真人椿 武宮辻 和貴荒木 雅信
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 118_2

詳細
抄録

 移動する対象物の捕捉の際には、Bearing Angle(以後BA)から得られる情報を利用しているという研究が報告されている。このBAは眼球運動や頭部の変位に基づいて導出されると推察される。そこで本研究は頭部の変位が捕捉行為の遂行にどのような役割を果たすのかを検討することを目的とした。実験装置は幅4mのスクリーンとターゲット投射用のプロジェクターで構成された。ターゲットの移動がプロジェクターを介してスクリーンに投射された。ターゲットは被験者から見て右から左に移動する仕組みであった。被験者はスクリーン正面に立ち、ターゲットの移動後自身も移動を開始し、到達地点にてターゲットの到達と自身の移動完了を一致させることを求められた。ハイスピードカメラにより被験者の試技を撮影した。3次元動作解析にて得られた座標データを元にBA及び頭部の向く方位を算出した。主な結果は,被験者はターゲットが高速で移動する時、比較的大きく頭部を回転させていた。一方、低速条件の時は到達地点とターゲットのおおよそ中間の位置に頭部の方位を維持していた。以上から、頭部の角度変位を踏まえた視覚的情報入力の方略は速度条件によって異なることが示唆された。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top