日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−24−ポ−14 運動部における動機づけ構造の認知と競技引退観の関係
*中須賀 巧杉山 佳生
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p. 122_1

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抄録

 本研究の目的は、運動部における動機づけ構造の認知が競技引退観に与える影響について検討することである。目的を遂行するにあたり、運動部における動機づけ構造の認知が競技引退に対する態度に影響を与えるという直接的な関係と競技引退に対する適応資源を媒介する間接的な関係を想定した仮説モデルを設定した。運動部に所属する大学生を対象に質問紙調査を実施し、最終的に回収できた169名(男子140名、女子29名、平均年齢19.81 ± 1.20歳)を分析対象者とした。調査内容は、運動部における動機づけ構造測定尺度と競技引退観検査(競技引退に対する適応資源尺度、競技引退に対する態度尺度)であった。仮説モデルの検証には共分散構造分析を行った。分析の結果、運動部の動機づけ構造である「承認」は競技引退に対する適応資源に正の影響を与えており、「コーチの練習支援」は負の影響を与えた。そして、その競技引退に対する適応資源は競技引退に対する態度に正の影響を与えることを示した。これは、チームメイトが相互にサポートし合うことや選手自身の努力が認められるような運動部の雰囲気を創造することによってポジティブな競技引退観を高めることを示唆している。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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