主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 122_3
動機づけは意識により高められると考えられてきたが、社会心理学の自動性研究では、この考え覆す研究結果を提出している。スポーツ心理学では、達成関連語(例、目標、努力)を用いたプライミングという手法から運動行動の非意識的な活性化が実証されている。しかしながら、動機づけ雰囲気という概念があるように、動機づけ要因には、個人要因のみならず、環境要因も存在するはずである。そこで本研究では、「ほめられた」や「元気づけられた」など、動機づけの環境要因を刺激語としたプライミングにより、運動行動の非意識的な活性化の実証を目的とした。被験者は教養の体育実技を受講する大学生であった。本実験における動機づけ指標は、快適自己ペースによる自転車エルゴメーター運動中の心拍数とした。運動前には乱文構成課題による閾上プライミングを行い、実験群の刺激語には動機づけの環境要因に関する語、統制群の刺激語には動機づけとは無関連な語を用意した。プライミングは運動実施前に行い、運動中の心拍数を実験群と統制群で比較した。両群の心拍数を比較したところ、実験開始後の心拍数は実験群の方が統制群よりも有意に高かった。