06経−10−口−16 競技団体と行政の連携によるエリート養成システムの現状と今後の展望

JFAアカデミー福島女子サッカーチーム10年間の歴史から

抄録

　2006年４月、（公財）日本サッカー協会は福島県・広野町・楢葉町・富岡町と連携して中・高一貫指導におけるエリート養成機関である「JFAアカデミー福島」を開校した。

　本研究では、JFAアカデミー福島女子サッカーチームを対象に、開校して10年間の歴史を通して現状の課題および成果、さらに今後の展望を明らかにすることを目的とする。

　研究方法は、アカデミー女子サッカーチームの在校生、卒校生ならびにアカデミー女子サッカーチームのスタッフに質問紙調査するとともに、元JFAアカデミー福島女子スクールマスターI氏ならびに元（公財）日本サッカー協会女子委員長U氏に質問紙調査の内容について自己の考えを十分に得るためにインタビュー調査した。

　調査の結果、日本女子代表選手の輩出をはじめ日本女子サッカーリーグ所属選手や大学進学先で活躍する選手、選手引退後もスタッフとしてサッカーに関わる卒校生等、選手育成における様々な面で成果が表れていることが明らかにされた。しかしながら、今後のさらなる発展においてはいくつかの課題も示唆された。