日本体育学会大会予稿集
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第68回(2017)
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一般研究発表(11) 体育科教育学
11教−09−口−19 持久走と長距離走の連続性に関する研究
中学校女子生徒の態度に注目して
*佐藤 善人谷口 善一
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p. 260_1

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抄録

 社会ではブームとなっているランニングではあるが、保健体育授業で行われる長距離走の学習は、生徒に不人気な運動である。この傾向は、男子生徒よりも女子生徒のほうが強い。近年、女子生徒の運動離れは顕著であり、その対策は急を要する。長距離走の学習も例外ではなく、そのあり方を検討する必要がある。

 小学校の持久走では、自分に合ったペースで無理なく走ることがねらいであるが、中学校の長距離走では、記録の達成や他者との競争がねらいとなる。この唐突なねらいの変更での実施が、生徒を長距離走嫌いにしているのではないか。そこで、中学2年生女子に持久走、長距離走の順番でランニングの学習を実施することで、生徒は徐々に慣れ、好意的態度を形成しながら長距離走のねらいに迫れるのではないかと考えた。具体的には、学習の過程で4回、質問紙調査により態度を測定し、その変容を分析した。その結果、持久走で向上した好意的態度は長距離走に変わる時点で大きく低下した。この傾向は下位群でより顕著であった。本研究は仮説を立証できなかったが、持久走、長距離走を連続して実施することの課題が改めて示唆された。

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