日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
第69回(2018)
会議情報

一般研究発表(01) 体育史
01史-24-口-05 戦前における精力善用国民体育の展開
嘉納治五郎の構想と受容者の反応に着目して
*工藤 龍太
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 71_2

詳細
抄録

 講道館柔道創始者の嘉納治五郎は様々な武術を研究し、「武術としての柔道」を生涯にわたり探求し続けた。柔道が競技スポーツとして普及していく一方で、柔道の武術性が失われていくことを危惧した嘉納は、修行者に形と乱取稽古の併修を説いた。昭和2(1927)年までに嘉納が完成させた精力善用国民体育の形(以下「精力善用の形」)は、2人で行う相対動作に加えて1人で行う単独動作が含まれている点で、柔道の形としては画期的なものであり、集団体操としても採用されるなどの展開があった。先行研究では、この形が国民体育の実施と当身技の習得といった体育的・武術的観点から、柔道をより優れたものにするために嘉納が創案したものであり、嘉納にとって理想の柔道の形であったことが指摘されてきた。本発表では、嘉納の理想的な柔道を具現化した精力善用の形が戦前の体育や武道の世界に与えた影響や、様々なレベルの実践者たちの反応がどのようなものであったかを資料に基づき調査しながら、戦前の精力善用体育の形の展開過程を明らかにしたい。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top