日本静脈経腸栄養学会雑誌
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総論 口腔内の評価
三宅 哲
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2017 年 32 巻 3 号 p. 1121-1123

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抄録

口腔は消化管の最初の入口であり、食物を取り込み咀嚼し食塊を形成する。そしてその食塊を咽頭へ送り込んで嚥下する。また、口腔は空気の通り道として呼吸にもかかわっている。その口腔の評価をすることは重要であるが、栄養管理をする多職種の方々には見落とされがちである。近年、1999年米山らからLANCETに、口腔ケアが誤嚥性肺炎減少につながるという報告1) がなされ、日本の看護のなかで口腔ケアが標準化され、注目されるようになった。しかし、煩雑な看護業務のなかで、看護師だけが口腔ケアをおこなうのではなく、少なくても多職種で活動するNutritional Support Team (NST) のメンバーは口腔内の評価だけでもおこなってもらいたい。口腔ケアをおこなっている施設でも、口腔内の評価をしているかどうかは現場によって温度差があるように思える。

口腔内の評価をおこなったうえで、器質的口腔ケア (機械的ブラッシングを中心に細菌数を減らすケア) 、機能的口腔ケア (嚥下リハビリテーションの一環として口腔機能の改善) をおこなうことは重要である。

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