日本静脈経腸栄養学会雑誌
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症例報告
難治性胃瘻周囲炎に対し皮下トンネルを利用した瘻孔変更術が著効した1例
島田 拓平間 公昭横山 昌樹
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キーワード: PEG, 胃瘻周囲炎, 難治性瘻孔
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2017 年 32 巻 3 号 p. 1188-1190

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抄録

経皮内視鏡的胃瘻造設術 (以下、PEGと略) は長期にわたり経腸栄養を必要とする症例に対して広く普及しているが、様々な合併症が存在する。症例は80歳の女性で、認知症のため寝たきりとなり、誤嚥性肺炎を繰り返すため約2年前に胃瘻を造設された。徐々に瘻孔が拡大して胃内容液の漏出を認めるようになり、単純縫縮やパウチング、陰圧療法などを試みたが改善せず、胃瘻周囲炎のケアに難渋していた。本症例に対し皮下トンネルを用いた瘻孔変更術を施行し、胃瘻周囲炎の治癒のみならず経腸栄養も再開することができた。PEGの後期合併症のうち胃内容漏出および難治性瘻孔周囲炎は頻度の高い合併症であるが、その対応には難渋する場合が多い。比較的低侵襲ながら極めて有効な方法と考えられたので、文献的考察を加えて報告する。

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© 2017 日本静脈経腸栄養学会
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