2017 年 32 巻 3 号 p. 1191-1194
NST活動の定量化および介入効果の検証を目的に、2014年度にNST介入した279人の患者データを解析した。介入期間の中央値は20日間であり、入院期間の60.0%を占めた。所属診療科では、内科、外科、整形外科の順に、また主病名は、肺炎・呼吸器系疾患、敗血症、心・循環器系疾患の順に多かった。栄養ルートを介入前後で比較したところ、介入終了時には経口経腸ルートが増加し、経静脈ルートが減少した。介入患者の死亡率は11.8%であり、死亡群は生存群よりも介入時のBMI、Alb、プレアルブミン、リンパ球数が低値であり、BUN、CRPが高値であった。多変量解析の結果、死亡と関連する独立因子として介入時のリンパ球数が選択された。NST介入により、褥瘡に改善は認められなかったものの、総タンパク、Alb、プレアルブミン、リンパ球数、日常生活動作スコアの上昇ならびにクレアチニン、CRP、白血球数の低下が認められた。以上の結果より、NST介入の効果が改めて実証された。