2017 年 32 巻 3 号 p. 1195-1198
当院では、感染制御とリスクマネジメントの観点から、開院当初より経腸栄養剤の調製・分注を含めた管理を栄養科が行ってきた。これに加え、2013年に発生したClostridium difficile関連下痢症の病棟内感染を契機に、経腸栄養投与ボトルの洗浄、経腸栄養剤の調製および分注を含めた一括管理を栄養科で行っている。ボトル一括管理実施前1年間と管理実施後1年間において、経腸栄養剤投与患者の排便状況を比較したところ、下痢患者数が有意に減少した。この結果には、栄養科でのボトル一括管理の実施による経腸栄養投与ボトルの衛生状態の改善や、医療スタッフと共同でマニュアルを作成するなどの取り組みにより、排便管理に対する医療スタッフの意識が変化したことなどの要因が寄与したものと考えられる。