2017 年 32 巻 4 号 p. 1324-1328
【目的】がん終末期患者では経口摂取はQuality of Lifeを維持すると考えられているがそれに関する調査は少ない。終末期患者の経口摂取とその食形態および栄養介入状況を調査した。【対象及び方法】2013年9月1日から2014年12月31日に当院緩和治療病棟で死亡した患者247名の最後の食事から死亡までの期間とその食形態、栄養介入状況を調査した。【結果】全患者中154名(62.3%)が死亡前1週間以内に経口摂取をしており、これらの最後の食形態は流動やゼリー形態が99例(64.3%)で、五分粥食以上の形態が55例(35.7%)であった。栄養介入後、1週間経口摂取が継続できた患者では1週間目の摂取栄養量が有意に増加した(p<0.001)。【結論】終末期であっても6割以上の患者は死亡1週間以内まで経口摂取が可能であった。栄養介入により一部の患者の経口摂取量は増加した。