日本静脈経腸栄養学会雑誌
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原著
腹腔鏡下結腸がんクリニカルパスにおける術前経口補水療法および早期経口摂取療法の有用性
青山 高
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2018 年 33 巻 1 号 p. 633-640

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抄録

【目的】術前経口補水療法および早期経口摂取療法を導入した腹腔鏡下結腸がんクリニカルパス(以下、CPと略)の有用性を検討した。【方法】静岡がんセンター大腸外科において腹腔鏡下結腸がん手術を施行し、従来のCP(術前絶食)を適用した症例(Control群;以下、Cont群と略、246例)と、術前経口補水療法および早期経口摂取療法を導入したCPを適用した症例(Enhanced nutrition群;以下、En群と略、255例)の供給栄養量と体重変化を比較した。【結果】Cont群に比してEn群の体重減少率と総供給熱量および経口摂取熱量は有意に改善し、Parental nutrition(以下、PNと略)熱量およびPN本数は有意に減少していた(P<0.0001)。両群のCP逸脱症例数に差は認められなかった。【結論】CPにおけるEn群はCont群に比して相対的に供給栄養量と体重変化を改善させ、医療資源の節減に有用であると考えられた。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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