体力科学
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静的trainingと動的trainingの効果比較
小野 三嗣大和 真岡田 信子高橋 泰光
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1965 年 14 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

医科大学生18名に, 右手で20kgの重量を把持し, 右腕関節の固定のための前腕屈筋に対しては静的のtrainingとなるようにすると共に4秒に1回の割合で20回肘関節を屈伸することにより, 右上腕屈筋は動的trainingがされるような実験を17日間行つた結果大要次のような結論を得た。
1) 被training筋に対するstrength増強作用は静的trainingよりもむしろ動的trainingの方が強く, 対側同名筋に対しても殆んど同じような効果をあらわす。
2) 拮抗筋群に対するstrength増強効果は静的trainingの場合著しく, 動的trainingでは殆んどない。
3) 荷重割合に対するstrength増強効果に対する影響は, 静的, 動的共に55%以下では殆んどなく, 動的では60~70%よりは80~90%の方が強いが, 静的では60~90%の間では大差がない。
4) supercompensation的効果は動的trainingでは現われ難いが, 静的trainingでは著しい。
5) training期間終了後の後効果の持続度は動的trainingでは75%以上の群に強いが, 静的training群では60%以上ならば殆んど同等である。

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© 日本体力医学会
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