日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
原発性胆汁性肝硬変症における食道・胃静脈瘤の検討
高橋 敦史物江 恭子坂本 夏美菅野 有紀子斉藤 広信阿部 和道横川 順子渋川 悟朗高木 忠之引地 拓人入澤 篤志小原 勝敏大平 弘正
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2011 年 17 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
原発性胆汁性肝硬変症(PBC)患者84例を対象とし,食道・胃静脈瘤の合併頻度および肝組織,血液検査成績,再発について検討を行った.食道・胃静脈瘤を認めたのは20例(23.8%)であった.診断時に静脈瘤を認めた18例の肝組織はScheuer Ⅰ・Ⅱ期6例(33.3%),Ⅲ・Ⅳ期12例(66.7%)でⅠ・Ⅱ期の軽度線維化例でも食道・胃静脈瘤を発症していた.食道・胃静脈瘤群では非合併例群に比べ女性で脾腫と掻痒感を伴うことが多く,血小板低下とプロトロンビン時間の延長を認めた.組織学的に進行している例が多かったが,静脈瘤の有無で各種生化学所見,抗ミトコンドリア抗体,抗セントロメア抗体,抗gp 210抗体の陽性率に有意差を認めなかった.17例で内視鏡治療を行い,うち6例(35.3%)で再発を認めたが再発の有無で各種検査成績に差異を認めなかった.PBCでは肝線維化が軽度の段階からの静脈瘤を併発することを再確認した.門脈圧以外に静脈瘤発症・再発の要因となる食道・胃周囲の側副血行などの解剖学的な差異についても今後の検討課題であると思われた.
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© 2011 日本門脈圧亢進症学会
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