2021 年 35 巻 4 号 p. 622-628
症例は80代,男性.201X年8月に肝胆道系酵素の上昇,高IgG4血症,びまん性膵腫大,下部胆管の高度狭窄,肝門部胆管の軽度狭窄を認め,自己免疫性膵炎,IgG4関連硬化性胆管炎と診断した.下部胆管狭窄に対して胆管ステントを留置しステロイドでの加療を開始した.治療開始し約5カ月後に施行したMRCPにて膵腫大の改善,膵管狭細像のほか,下部胆管狭窄の改善を認めた.治療開始し1年半後に,再度肝胆道系酵素の上昇を認め,精査加療目的に入院となった.ERCでは下部胆管の狭窄は認めず,肝門部胆管の高度狭窄を認めた.胆管ステントを左右肝内胆管に留置しステロイドを増量した.その後,経過観察中であるが現時点で再燃は認めていない.同一症例で異時性,異所性に胆管狭窄を認めた自己免疫性膵炎,IgG4関連胆管炎の報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.