日本門脈圧亢進症学会雑誌
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原著
門脈圧亢進症の血行動態診断におけるParametric Imagingの有用性について
和久井 紀貴高山 竜司金川 武徳向津 隆規一森 美生江中野 茂永井 英成五十嵐 良典住野 泰清
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2012 年 18 巻 1 号 p. 14-18

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抄録
【目的】Sonazoid造影US(SUS)における肝実質のperfusionの違いが,門脈圧亢進症により惹起される合併症発現率の予測に有用か否か明らかにする.
【対象と方法】対象はSUSを施行したC型慢性肝疾患253例.超音波装置は東芝AplioXGを用いSonazoid静注後30秒間,右肋間走査で肝S5領域と右腎の染影動態を記録した.記録した動画でParametric Imagingを作成し,肝実質のperfusionをカラー表示下で検討した.
【成績】肝実質のperfusionが門脈主体であるもの(Pパターン:P),門脈と肝動脈の両方であるもの(APパターン:AP),肝動脈主体であるもの(Aパターン:A)の3つに分類することができた.検討の結果,食道静脈瘤(+)例,脾腫(+)例はPと比べ,AP,Aで有意に増加した(p<0.01).また腹水(+)例はPでは認められず,AP,Aで有意に増加した(p<0.01).
【結論】Parametric Imagingは門脈圧亢進症により惹起される合併症発現率の予測に有用であった.
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© 2012 日本門脈圧亢進症学会
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