抄録
症例は60歳,男性.C型肝硬変にて生体肝移植が施行されたが,術後早期に門脈狭窄を来した.門脈圧亢進症状が認められ,バルーン拡張術が繰り返し行われたが完全閉塞を来したため,難渋していた.経過観察となった2年後に大量下血を来し,門脈内の血栓の進展を認めたため,当科紹介となった.経皮経肝的に肝内門脈にアクセスし,ガイドワイヤーで閉塞部を通過することができたため,閉塞部に対してバルーン拡張後,ステント留置を行い,後拡張も追加した.術後,門脈血流は良好となり,2年経過した現在でも,再下血は認められていない.