日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
肝硬変症例におけるSplenopancreatic Disconnection付加遠位脾腎静脈吻合術が糖・アミノ酸代謝に与える影響
橋本 直樹
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キーワード: DSRS, DSRS+SPD, IV-GTT, pancreatic siphon
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2016 年 22 巻 1 号 p. 31-33

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抄録

Warren-Zeppaらは,食道静脈瘤症例に対して,遠位脾腎静脈吻合術,Distal splenorenal shunt(DSRS)を行う選択的シャント術を考案した.しかし,長期のfollow upにおいて,いくつかの症例において,シャントの選択性の喪失が報告された.この原因として脾静脈と膵との側副血行路を介して,門脈血が大循環へ流出するpancreatic siphonによると考えた.そこで,脾静脈から膵へ流入する血管すべてを結紮し遮断するsplenopancreatic disconnection(SPD)が考案された.我々も食道静脈瘤症例に対してDSRS+SPDを施行したところ,シャントの選択性が維持され,術後において,糖代謝,アミノ酸代謝の改善がみられ,末梢血のインスリン動態も有意に低下が見られた.

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© 2016 日本門脈圧亢進症学会
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